その日暮らしな文系院生の歩き方

研究・留学・ときどき猫

日本で女性が研究者になるということ『女が学者になるとき』を読んで

麻生氏の「子どもを産まない方が問題だ」発言をめぐるニュースを見ていて、ふと倉沢愛子先生の『女が学者になるとき』を思い出しました。

 

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https://www.amazon.co.jp/%E5%A5%B3%E3%81%8C%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%8D-%E5%80%89%E6%B2%A2-%E6%84%9B%E5%AD%90/dp/4794208332


直接関連しないのですが、日本で女性として生きるということを考えるとつながるのかな...と

 

1998年に出版された本なので今の状況と少し合わないかもしれませんが、著書を読むと女性として研究職を目指すことがどれくらい困難な道なりなのか(であったのか)を思い知らされます。研究者を目指す女性であれば共感することが多々あると思います。

 

特に筆者がインドネシアに長期の調査に行き、帰って来た時に夫に切り出される「離婚」、夫の方が早く就職先が決まる場面や、オランダ留学の場面で描かれる「研究の孤独さ」、など、うんうんと頷けるシーンがいくつもありました。

 

今は大学や研究所で女性を積極的に雇用しなくてはならないという圧力から、男性よりも女性の方がむしろ雇用されやすくなっているのかもしれません。それでも、博士課程を修了してそのままアカポスに就職できる人って少ないですよね...。女性であれば非常勤やポスドクをしている間に出産の適齢期を過ごす訳ですが、その間は夫側に支えてもらえない限り結婚・出産はできない経済状況だと思います。

全て(就職・結婚・出産)を手に入れる余裕が持てないのが日本のアカデミアの現状なのかなと、結構不安です。会社員として働いても子どもを持てない人もいる世の中ですしね、、、

私もこれから長期の調査に行き博士課程を修了する頃には30間際になる訳ですが、公私ともにいろいろと考え直さないと

日本に戻るよりも中国の方が過ごしやすいかな、とか思ったりもしています。
研究するにしても、生活するにしても。