その日暮らしな文系院生の歩き方

研究・留学・ときどき猫

文系院生ってなんでこんなに研究費が少ないのでしょう;;

たまに泣きたくなる理由です。

もちろん所属機関によると思うのですが、文系院生にとって研究費がもらえない/少ないというのはよくある話です。

私自身、日本での所属大学では書籍等購入の場合3万円/年、学会発表の場合6万円/年が限度でした...。文献を大量に入手する必要がある文系にとってはこの金額はかなりキツイです。

経済的に余裕のある人や社会人院生でない場合、アルバイトして集めた生活費を削って文献を購入する院生がほとんどでした。あとは、大学近くの古本屋をめぐり歩いたり、論文の場合大学の図書館で他大学から取り寄せてもらったり...(これもコピー代・郵送代などのお金がかかります)

最低限1か月に1~2万円は必要だと思います。

あとはフィールドワークに行く必要のある研究分野の場合、これが大変なのです(泣)
研究助成をどこかの財団からもらえればいいのですが、業績がない院生だとこれも難しく...結局またアルバイトして稼ぐことになります

そのため研究に費やす時間がなくなる=業績増えないという悪循環まっしぐらです

私も同じような状況で日本にいたときは結構頭を抱えていました。

 

同じ研究室だった院生たちは塾講師、TA、教務補佐、ホテル、スーパー、本屋など、ほんとに色んなところで働いていました。

中国からの留学生の中にはスーパーで夜中働き、そのまま研究室で研究、寝るのは毎日3-4時間(不規則)というつわものもいました。

ここまでしても業績がだせなければ将来への不安は募るばかりです... 
院生が精神的に病んでしまう理由の一つなのじゃないかと思います...


一方、中国での留学先の話になりますが、私の所属機関では基本的に研究費は教授のプロジェクトによります。ここらへんは日本の理系大学院と似ているのかな、と思います(友人から小耳に挟んだだけで実はよく知らないのですが)。

教授が多くのプロジェクトを抱えているような「有名人」であればそれなりに支給がでます。逆にそうでないと院生が集まってこないみたいです... そのへん結構合理主義的な面があります

中国人の友人を例にとると、

Aさん
教授からアパート代・文献購入費・調査費・生活費を支給してもらっている。+政府から毎月奨学金を支給。

Bさん
無料の学生寮に住み、日々の生活費は政府からの奨学金で賄っている。+研究費は教授からもらう。

Cさん
無料の学生寮に住み、日々の生活費は政府からの奨学金+家族からの仕送りで賄っている。+研究費は教授からもらう。

という感じでしょうか。

 

「日本の院生は結構皆アルバイトしているんだよ~」といったところ、「それじゃ研究できないじゃん!」と驚いていました。

 

そういう彼らも教授からお金をもらっている分、よく雑用に使われています。私のような留学生の面倒をみたり、コピーしたり、会議の準備したり、先生の論文のための情報を集めたり。でも結局研究に関する雑用なので後々自分の役に立つと思えばあまり苦にはならないのじゃないかな、と思います


なので、あくまで私見ですが、中国の院生の方が伸び伸びと研究しているような印象を受けます。サポートが厚いというか。

これって研究実績ともすごく関連してて、今日本の国際学会誌での論文本数ってどんどん減ってますよね(下記リンク参照)、、、。悲しいことに。一方の中国はどんどん増えています(中国の研究が量産タイプのものだというお話しは置いておきます)。

https://www.timeshighereducation.com/news/nature-index-japan-falls-behind-scientific-research#survey-answer

 

院生の研究環境だけでなく、研究者の方々の研究環境が悪化していることが原因だと思います。私の日本の所属大学でも、先生方が雑務で疲れていて研究どころじゃないようでした。何時間にもおよぶ教授会だとか、解雇された先生の穴埋めだとか、一人あたりが受け持つゼミ生が多く指導が行き渡らないだとか、給与+研究費を減らされただとか。

結構あぶない状態ですよね。
どうなってしまうのでしょうか。先行きが不安です。